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公開シンポジウムの報告

第16回公開シンポジウム2026
ーオンラインシンポジウムー
「子どものSOSを、つかまえる」
―子どもたちの最善の利益を求めて―

2026年6月27日(土)13:00~16:00

※ハイブリッド型オンラインシンポジウムを予定しておりましたが、台風接近に伴う気象状況および交通機関の状況を確認し、参加者・登壇者の安全を最優先に検討した結果、対面での開催は取りやめ、Zoom映像のYouTube配信を行いました。

 子どものSOSをつかむことは、「生徒指導提要(改訂版)」の課題の未然防止や課題の早期発見対応、重大事態の発生防止等のすべての出発点になる。しかし、SOSを出すことを否定的に捉えたり消極的になったりする子どもの実態や子どもたちがSOS を出したくても出しにくい学校や学級の風土の問題などがある。また、子どもがSOSを出しているにもかかわらず、それに気づかなかったり過小評価したりして子どものSOS を受け止め切れない教師や学校側の問題も指摘されている。こうした 「子どものSOS」をめぐる困難な実態を踏まえつつ、本シンポジウムでは子どもたちの最善の利益を求めて、「子どものSOS」の課題や望ましい方向性について議論する場として開催されました。

 新井邦二郎氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会理事長,前東京成徳大学学長〕より開会挨拶が述べられた後、川崎知已氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修委員,千葉商科大学教授〕の全体司会のもと、講演およびシンポジウムが進められました。

 講演では、柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕より「子どものSOSを、つかまえる―スクールカウンセリングへの期待」と題したご講演をいただきました。不登校やいじめの現状とともに、校内教育支援センターや学びの多様化学校の取組、いじめ防止対策推進法に基づく支援の重要性が述べられました。そして、子どものSOSをつかまえるために、1人1台端末等を活用した「心の健康観察」の導入、子どもの相談窓口の整備、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーも含めた学校における教育相談体制の充実が進められることの必要性が指摘され、ガイダンスカウンセラーの貢献へのさらなる期待が述べられました。

柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕

 続いて、総崎由希氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕よりいただきました講演「児童生徒のSOSに気付くことができる教育相談体制づくり」 では、いじめ、自殺、不登校、児童虐待、ヤングケアラーなどの現状と課題にふれながら、子どものSOSを見逃さないために、学校における教育相談の具体的な流れ、校長のリーダーシップのもとスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を含めたチーム学校による支援の必要性、心理・福祉分野に強みや専門性を有する教員を育成し、教育相談コーディネーターなど中核的な役割を担う人材としていくことの重要性が述べられました。

総崎由希氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕

 シンポジウムでは、藤田晃之氏 〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会副理事長,筑波大学教授〕を司会として、各シンポジス卜より大変貴重なご発表をいただきました。
 渡邉香子氏〔一般社団法人SSW情報研修センター副代表理事,神奈川県SSWスーパーバイザー〕より『困っている子どもたちに気づき、チームで見守っていく』について、スクールソーシャルワーカーとしてのご経験から、問題の未然防止のために潜在的に支援の必要な児童生徒を把握するためのスクリーニングの重要性、スクリーニングにおけるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの役割などの話題提供がありました。
 次に春日智稀氏〔埼玉県羽生市立小学校教諭〕より『子どものSOSをキャッチする学校の体制をつくる』について、小学校教諭としてのお立場から、子どものSOSをキャッチする学校の体制づくりとして、4ステップのプロアクティブな生徒指導モデル、SOSの出し方教育の実践などの話題提供があり、渡邉先生、春日先生のそれぞれから子どものSOSに気づくための取組について重要なご示唆をいただきました。
 最後に新井雅氏〔跡見学園女子大学教授〕より『SOSの出し方・受け止め方教育を実践する』について、自殺対策基本法に基づく心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進等に係る施策やこども家庭庁によるこどもの自殺対策緊急強化プランなどに触れたうえで、小学生を対象としたSOSの出し方、受け止め方教育の実践などの話題提供があり、新井先生から大変重要なお話をいただきました。
 藤田晃之先生の名司会のもと、これらのご発表を受け、参加者からの質問も含めて、さらなる質疑応答やディスカッションが行われました。

質疑応答場面の様子〔司会:藤田晃之氏(上左),シンポジスト:渡邉香子氏(上右),春日智稀氏(下左),新井雅氏(下右)〕

 最後に、飛田浩昭氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修副委員長,西武文理大学特命教授〕より閉会の挨拶が述べられ、盛会のうちに、本シンポジウムは終了しました。

 本シンポジウムは、台風接近に伴い、当日は急遽開催方法を変更し、Zoom映像のYouTube配信のみで行いましたが、ライブ配信視聴者約330名と多くの方々にご参加いただきました。内容についても、多くの方から満足しているとの回答をいただき、国や行政の施策と現場の実践がわかる研修で大変勉強になった、すぐに生かせる内容で明日からの活力をもらえたといった声もお寄せいただきました。

 ご登壇いただきました先生方、ご参加・視聴いただきました皆様、運営に携わってくださった関係スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。本協議会では、引き続き、スクールカウンセリングのさらなる充実を目指して、様々な企画・活動を進めていきます。〔広報委員会〕