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公開シンポジウムの報告

第13回公開シンポジウム2023
ーハイブリッド型オンラインシンポジウムー
子どもを学校の学びから『脱落』させないスクールカウンセリング

2023年6月24日(土) 13:00~16:00
会場 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターRoom C

 不登校等の学校で生じている諸問題の増加や複雑化を背景として、2022年12月に「新生徒指導提要」が公表されました。新生徒指導提要では、新しく「生徒指導の2軸3類4層構造」が示され、スクールカウンセリングを核とした「発達支持的生徒指導」「課題未然防止教育」の充実などが強調されています。本シンポジウムでは、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育を目指して、新生徒指導提要の新しい考え方を踏まえてこれまでの活動を振り返り、子どもたちが誰一人取り残されずに「個別最適な学び」と「協働的学び」を体験することができるようなスクールカウンセリングのあり方について議論する場として開催されました。

柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕

 石隈利紀氏〔東京成徳大学教授,一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会理事長〕より開会挨拶が述べられた後、鈴木教夫氏〔茨城県SC,文教大学・東京理科大学非常勤講師〕の全体司会のもと、講演およびシンポジウムが進められました。

 講演では、柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕より「問題を未然防止するスクールカウンセリングへの期待」と題して、いじめや不登校、自殺など子ども達が抱えている複雑化・多様化した諸問題の現状を踏まえ、スクールカウンセラーなどがチーム学校の専門スタッフの一員として、子ども達の心に寄り添い、関係者と積極的に連携しながら対応していくことの重要性を述べられました。そして、スクールカウンセラーの量と共に質の向上を図っていくことが求められており、ガイダンスカウンセラーによるさらなる貢献が期待されることが表明されました。

仲村健二氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕


 続いて、仲村健二氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕よりいただきました講演「新生徒指導提要を生かした問題行動の未然防止」 では、児童生徒のいじめ、不登校、自殺等の諸問題の現状を踏まえて、 スクールカウンセラーの配置や活動のさらなる充実、チーム学校に基づくスクールカウンセラー等の効果的な活用の必要性が述べられました。そして、生徒指導提要の改訂に伴う教育相談体制の充実という観点からも、スクールカウンセラーの役割や専門性が重要であることが述べられました。

 シンポジウムでは、飛田浩昭氏〔西武文理大学特命教授,一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修副委員長〕を司会として、各シンポジス卜より大変貴重なご発表をいただきました。八並 光俊氏〔東京理科大学教授〕より「新『生徒指導提要』における発達支持的生徒指導の充実」、金子恵美子氏〔慶應義塾大学准教授〕より「不登校の現状―子どもたちへの支援と課題―」、河村茂雄氏〔早稲田大学教授〕より、「多様化してきた児童生徒を前提とした学級経営のあり方―教育カウンセリングから自律教育カウンセリングへ―」、加勇田修士氏〔NPO法人ストレス対処法研究所理事長〕より「未然防止のスクールカウンセリング-都立定時制高等学校の中退予防対策事業8年間の取り組み」と題したご発表をいただきました。それぞれ、通信制高校における不登校経験者などへの調査結果を交えた不登校支援の在り方、子どもの多様性に応える誰一人脱落させない生徒指導体制の充実、生物・心理・社会モデルと教育カウンセリングを包括する取組としての自律教育カウンセリングの必要性、問題解決だけでなく問題予防に寄与する教育実践(予防・開発的なスクールカウンセリング)を中心として展開する指導体制・組織の重要性など、大変重要となる数々の活動が示されました。そして、これらのご発表を受けて、参加者からの質問も含めて、さらなる質疑応答やディスカッションが行われました。

全体討議の様子(右より 司会:飛田浩昭氏,シンポジスト:金子恵美子氏,八並光俊氏,河村茂雄氏,加勇田修士氏)

 最後に、新井邦二郎氏〔前東京成徳大学学長,一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修委員長〕より閉会の挨拶が述べられ、盛会のうちに、本シンポジウムは終了しました。

 本シンポジウムでは、会場参加者70名、ライブ配信視聴者304名、計374名と、多くの方々にご参加いただき、内容について大変満足している、今後の活動や実践に向けて参考になる、来年度のシンポジウムへの期待などの感想を多くお寄せいただきました。

 ご登壇いただきました先生方、ご参加・視聴いただきました皆様、運営に携わってくださった関係スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。本協議会では、引き続き、スクールカウンセリングのさらなる充実を目指して、様々な企画・活動を進めていきます。〔広報委員会〕