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理事長挨拶

一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会
理事長 新井邦二郎

ご挨拶

 この度、石隈利紀先生の後をうけて本協議会の理事長に就任しました。非力の身ですが、どうぞよろしくお願いします。

 この協議会は、学校という公教育の場において子どもたちの心身の健康を支援し、カウンセリングの観点から子どもが健全で幸福な成長と発達を遂げるための活動を推進する組織です。私自身、大学教員として約50年間、多くの学生たちと関わる中で彼らの困難や悩みに接してまいりました。また本協議会が2009年(平成21年)に結成されて以来、研修委員、認定委員、渉外委員、事務局支援委員等として本協議会の活動に参加してまいりました。このような経験と活動を通して、スクールカウンセリングの重要性をより強く感じ、それを学校の場に普及する使命を感じております。

 抱負を2点ほど挙げてみます。

 スクールカウンセリングの担い手の一人はスクールカウンセラーです。学校には学習指導(授業)、生徒指導、特別支援教育、キャリア教育、特別活動、道徳教育、教育相談、学校・学級経営など子どもたちの健全な成長を実現する教育機能と組織があります。スクールカウンセラーはこれらの学校の教育機能や組織と適切な距離間を保ちながらも連携し協力し合って活動してこそ、問題の未然防止を含む成果を挙げることができます。「チーム学校」の一員としてのスクールカウンセラーのあり方を追求し提案していけたらと思います。

 スクールカウンセリングのもう一つの重要な担い手はクラス担任や養護教諭、学校管理職などのすべての学校スタッフです。スクールカウンセラーの配置が全国の公立学校に拡大するに伴い、現場の学校スタッフのカウンセリング関係を学ぶ意欲が以前よりも低下したという指摘があります。現在わが国の学校の諸課題は、不登校、いじめ、暴力行為、自殺等の件数を見ても、スクールカウンセラーの力だけでは解決の見通しが立ちにくい状況にあります。それゆえ学校スタッフがスクールカウンセリングの基本的な知識やスキルを持ち、さらに特定の教師はスクールカウンセリングの高度の専門性を身につけて、学校や学級がカウンセリングに基づく対応を自律的・組織的に行うことが求められています。学校スタッフのこうしたカウンセリング教育や関連資格の取得に力を注いでいけたらと思います。

 最後に、皆様方と共に未来に向かって歩んでいくことを心から楽しみにしております。より多くの子どもたちが希望に満ちた未来を築くために、私たちの力を合わせて頑張りましょう。

 心より、皆様のご支援をお願い申し上げます。

2023年6月