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公開シンポジウムの報告

第15回公開シンポジウム2025
ーハイブリッド型オンラインシンポジウムー
「生徒指導担当教師」加配への期待と課題
―生徒指導や教育相談のさらなる充実を求めて―

2025年6月21日(土) 13:00~16:00

 文部科学省は、令和7年度政府予算案として全国の公立中学校に1,000人の「生徒指導担当教師」の加配を発表しました。これは、急増する不登校やいじめ等に対応し、誰一人取り残されない学びを支援するための取組であり、今後さらに4年間をかけて拡大していく計画とされています。本協議会ではこれまでも、生徒指導や教育相談、キャリア教育に専念できる教諭(仮称「相談指導教諭」)の創設を求めてきました。本シンポジウムでは、この「生徒指導担当教師」を生徒指導・教育相談のキーパーソンとして大きな期待を抱きつつ、今回の制度を効果的に活用し、現状において抱える課題点の克服を期待すべく、チーム学校における生徒指導や教育相談の望ましい方向性や姿について議論する場として開催されました。

柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕

 新井邦二郎氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会理事長,前東京成徳大学学長〕より開会挨拶が述べられた後、鈴木教夫氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修委員,茨城県SC,文教大学・東京理科大学非常勤講師〕の全体司会のもと、講演およびシンポジウムが進められました。

 講演では、柴山昌彦氏〔衆議院議員,元文部科学大臣〕より「生徒指導や教育相談のさらなる充実を求めて-スクールカウンセリングへの期待」と題したご講演をいただきました。いじめや不登校など子どもを取り巻く課題の現状と共に、校内教育支援センター、学びの多様化学校、いじめ防止対策推進法に基づく支援体制の必要性などが指摘されました。そして、スクールカウンセラーの配置拡大と共に、質の向上を図っていくことが求められており、ガイダンスカウンセラーによるさらなる貢献が期待されることが表明されました。

総崎由希氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕

 続いて、総崎由希氏〔文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導室長〕よりいただきました講演「生徒指導や教育相談のさらなる充実を求めて」 では、不登校やいじめ、自殺の現状と課題および国・自治体や学校としての様々な取り組みについて触れながら、スクールカウンセラー等の専門スタッフを含めたチーム学校による組織的な児童生徒への支援の必要性が述べられました。
 シンポジウムでは、河村茂雄氏 〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会副理事長,早稲田大学教授〕を司会として、各シンポジス卜より大変貴重なご発表をいただきました。
 八並光俊氏〔東京理科大学名誉教授・日本生徒指導学会会長〕より『知識基盤型・発達支持的生徒指導の推進者としての期待』、相馬誠一氏〔東京家政大学名誉教授〕より『生徒指導・教育相談推進の立場から』、石井ちかり氏〔神奈川県箱根町教育相談センター所長,東京都スクールカウンセラー,元中学校教諭・教育支援センター専任教諭〕より『地域教育相談コーディネーターの立場から』、半田一郎氏〔子育てカウンセリング・リソースポート代表,茨城県スクールカウンセラー〕より『スクールカウンセラーの立場から期待すること』と題したご発表をいただきました。八並先生の話題提供では、「生徒指導提要」の重層的支援構造の観点から生徒指導担当教師に期待される多様な役割について、相馬先生の話題提供では、児童生徒の自殺を巡る諸問題の現状を踏まえて、生徒指導と教育相談の充実と共にスクールカウンセラーや生徒指導担当教師の役割や活動について重要なご示唆をいただきました。石井先生の話題提供では、ネットワーク型支援の実践例、地域教育相談コーディネーターの活動や成果、生徒指導担当教師に期待される役割が述べられ、そして、半田先生の話題提供ではスクールカウンセラー活動の現状や課題点と共に、生徒指導担当教師に期待される様々な役割やスキル、活動について、大変重要となるお話をいただきました。そして、これらのご発表を受けて、参加者からの質問も含めて、さらなる質疑応答やディスカッションが行われました。

全体討議の様子(右より 司会:河村茂雄氏,シンポジスト:半田一郎氏,石井ちかり氏,相馬誠一氏,八並光俊氏)

 最後に、飛田浩昭氏〔一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会研修副委員長,西武文理大学特命教授〕より閉会の挨拶が述べられ、盛会のうちに、本シンポジウムは終了しました。

 本シンポジウムには、会場参加者67名、ライブ配信視聴者217名、計284名と、多くの方々にご参加いただき、事後アンケートでは内容について多くの方から「満足している」との回答をいただきました。また、「とても興味深い内容で今後の展望が得られた」、「未来に向けて必要な研修であった」といったご意見や、「ディスカッションや質疑応答の時間をさらに増やして検討したい」という期待の声もお寄せいただきました。

 ご登壇いただきました先生方、ご参加・ご視聴いただきました皆様、運営に携わってくださった関係スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。本協議会では、引き続き、スクールカウンセリングのさらなる充実を目指して、様々な企画・活動を進めていきます。〔広報委員会〕